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ビカクシダの冬越し:種ごとの耐寒温度、室内に入れる目安、そして被害が春に出る理由
寒さだけでビカクシダが枯れることは多くありません。低温に、湿った水苔と動かない空気が重なった時に傷みます。種ごとの耐寒目安と、冷え込む夜の前後にやることをまとめました。
寒さだけでは枯れない。寒さと湿りと無風で枯れる
日本の冬、ビカクシダは室内で過ごします。問題は、部屋が何度まで下がるか、水をどれだけ減らすか、一月に無事に見えた株がなぜ三月に崩れるかです。LDS の拠点である台湾では、冬は寒波として来ます。二、三晩で夜温が 18℃から 8℃へ落ち、たいてい雨を伴います。どちらでも要因は同じ三つ。低温、湿った水苔、動かない空気。一つなら耐えます。三つ重なると成長点が腐ります。
種ごとの耐寒目安
下の表は愛好家のあいだで広く言われる数字の整理です。保証ではなく、控えめな目安として使ってください。
| 種 | 保護を始める温度 | 明確な危険域 |
|---|---|---|
| リドレイ | 15℃ | 10℃以下 |
| ワンダエ | 12℃ | 10℃以下 |
| コロナリウム | 12℃ | 10℃以下 |
| マダガスカリエンセ | 12℃ | 10℃以下 |
| ウィリンキー | 10℃ | 5℃以下 |
| ベイチー | 5℃が続く環境 | 0℃近くまで短時間なら耐えた報告あり |
| ビフルカツム(ネザーランド) | 5〜8℃ | 5℃前後を短時間なら耐えるとする資料が多い |
規則性は原産地そのままです。赤道直下の雨林の樹冠に着生する種ほど寒さに弱く、オーストラリアの乾燥した疎林の種ほど強い。原産地を調べれば、冬の置き場所はほぼ見当がつきます。
傷むのは寒さではなく、寒さと湿りと無風
低温だけなら多くの種は一晩二晩耐えます。しかし寒波は雨を連れてきて水苔を芯まで湿らせ、保温のために閉め切った場所へ移せば空気が止まり、成長点は低温の中で水に浸かったままになります。これが冬の黒腐れの典型です。冬の通風は夏と同じく大切で、目的だけが違います。夏は冷やすため、冬は水苔を乾かすためです。
冷え込む夜の前日にやること
予報の最低気温がその種の保護ラインを下回ったら、三つ。水を止め、寒さが来る前に水苔をできるだけ乾かす。最も寒さに弱い種を風と雨の当たらない屋根の下か室内へ移す。移した先に空気の流れがあるか確認する。小さなサーキュレーター一台は、保温カバー一枚より効きます。寒波の前に肥料は与えず、当日にドボン(板ごと水に浸ける水やり)もしません。
室内に入れてから
室内の問題は光の少なさと空気の停滞です。最も明るい窓辺に、ガラスから 10cm 以上離して置きます。夜のガラス面は室温より数度低いからです。サーキュレーターは弱で回し続けます。水やりは水苔が完全に乾いてから、暖かい日の日中に、夏の半分以下の量で。成長が再開するまで肥料はなし。暖房の乾燥には霧吹きより加湿器が効きます。
エレファントティスは属の中でも冬に乾き気味の休眠を好むとよく言われますが、どの程度乾かすかは意見が分かれます。断水ではなく、徐々に減らす方が安全です。
寒波の合間に外へ戻せるなら戻してください。冬の屋外の光と風が、胞子葉の張りと星状毛の密度を保ちます。
被害が春に出る理由
冬越しで最も誤解されやすい点です。寒い間、株は何ともないように見えます。ところが三月、四月に気温が上がると、貯水葉が急に柔らかくなり、成長点が黒ずみ、新葉が出てこない。低温が傷めるのは成長点の内部で、株が動き出して初めて外から見えるからです。春に崩れたら、春の水やりを疑う前に、冬の一番冷えた夜を思い出してください。
冬にしてはいけないこと
板替えをしない。子株を外さない。肥料を与えない。通気口のないビニール袋で株を覆わない。暖房やエアコンの風が直接当たる場所に置かない。冬はビカクシダの低速の季節です。ゆっくりさせてください。春に取り戻します。
よくある質問
ビカクシダは何度まで耐えられますか?
種によります。リドレイは 15℃、ワンダエとコロナリウムは 12℃、ウィリンキーは 10℃を下回ったら保護を。ベイチーは最も強く、0℃近くまで短時間なら耐えたという報告があります。低温と湿った水苔と無風が重なった時に最も傷みます。
冬の水やり頻度は?
決まった日数はありません。水苔が完全に乾いてから、暖かい日の日中に、夏の半分以下の量を。寒波の前日は水を止めます。冬は水の与えすぎの方が、水切れよりはるかに危険です。
暖房の部屋に置いても大丈夫ですか?
大丈夫ですが、暖房の風が直接当たる場所は避け、サーキュレーターを弱で回します。暖房の乾燥で葉縁が焦げるので、霧吹きではなく加湿器で補います。最も明るい窓辺に、冷たいガラスから 10cm 以上離して置いてください。
冬は無事だったのに春に急に傷んだのはなぜ?
冬の低温障害が、暖かくなって初めて表に出た可能性が高いです。低温は成長点の内部を傷め、株が動き出して初めて見えるようになります。春の水やりを疑う前に冬の一番冷えた夜を思い出し、次に水苔が湿りっぱなしでないか確認してください。
冬に板付けや株分けをしてもいいですか?
おすすめしません。冬は根がほとんど動かず、板付けしたばかりの株は板を掴めず、外した子株も発根しません。春になって夜温が安定して 15℃以上になってから行ってください。
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