Platycerium
Platycerium coronarium
コロナリウム
- 学名
- Platycerium coronarium
- 中国語
- 皇冠鹿角蕨
- 日本語
- コロナリウム
- English
- crown staghorn fern
コロナリウムはタイ・マレー半島・シンガポール・インドネシア・フィリピンの低地林に着生する原種。王冠状に裂ける高い貯水葉と、2m を超えて垂れ下がる胞子葉、独立した腎形の胞子嚢葉が特徴です。子株を出し、リドレイより育てやすく、縦の空間を活かせる収集向きの種です。
育て方の要点
原生環境
タイ・マレー半島からシンガポール、スマトラ、ボルネオ、フィリピンまでの低地雨林と季節林。大木の幹に着生し、直立した貯水葉で落ち葉を受け止め、胞子葉はリボンのように垂れ下がります。シンガポールでは街路樹に付いた姿が見られます。
光線
明るい散光。リドレイよりやや耐陰性がありますが、暗い場所では貯水葉が低く、胞子葉が薄く緑になります。午前の直射は可。日中のガラス越し直射は避けます。
水分と湿度
貯水葉が筒状に立ち上がって水を受けるため、リドレイより寛容です。用土の表面が乾いたらたっぷりと。湿度 60% 以上で成長が早く、50% を切ると葉先が焦げます。筒の底に水が何日も溜まらないよう風を回してください。
用土と板付け
温度と冬越し
適温 22〜32℃、暑さには強い種です。日本の冬は室内で最低 12℃を確保。10℃を切ると胞子葉が黒く傷みます。冬は水を減らし、筒の中が乾くようサーキュレーターを回してください。
よくあるトラブル
- 葉先が黒い:湿度不足か肥料焼け。
- 筒の中が臭う:溜まり水の腐敗。水を捨て、排水を改善。
- 貯水葉ばかりで胞子葉が出ない:光量か養分の不足。成株になると安定して出ます。
- 新葉が前の葉より小さい:根が板を埋め尽くしたか、用土の劣化。
コレクションの見どころ
葉姿:通常型と、貯水葉の切れ込みが深く胞子葉が幅広で短いフィリピン型、そしてドワーフや細葉の選抜個体が流通します。いずれも正式な変種名ではありません。分岐の回数、垂れる長さ、胞子葉の幅が評価点です。
親株:王冠の形が欠けずに対称か、胞子葉が冠の頂点から均等に出ているか、群生株なら各頭の大きさが揃っているかを見ます。
よくある質問
コロナリウムの胞子葉はどれくらい伸びますか?必要な空間は?
成株では 1〜2m 垂れるのが一般的で、自生地ではさらに長い記録があります。板の下に最低 1m の空間を確保し、葉先が床に触れて折れないようにしてください。重くなるため吊り金具の耐荷重も確認を。
コロナリウムは子株を出しますか?
出します。成株は貯水葉の脇に新しい頭を出し、自分の貯水葉を持てば株分けできます。そのまま残せば多頭の群生株になります。株分け株は親株の表現をそのまま受け継ぎ、胞子培養株より表現が安定します。
フィリピネス(フィリピン型)と通常のコロナリウムの違いは?
フィリピン型は貯水葉の切れ込みが深く、胞子葉が幅広で短く、全体がコンパクトに見えます。産地由来の流通名であり、正式な変種ではありません。名前より実際の葉姿で判断してください。
コロナリウムとリドレイ、どちらが育てやすい?
コロナリウムの方が明らかに寛容です。暑さに強く、貯水葉の筒で水を受け、光の要求もやや低く、子株も出します。リドレイは蒸れと寒さに弱く、子株を出しません。初めての収集向き原種なら、縦の空間さえあればコロナリウムが安全です。
コロナリウムの冬越しはどうすればいい?
最低 12℃を保ち、冷える窓際から離し、できるだけ明るい場所で管理します。水やりの間隔は空けますが、カラカラにはしないこと。筒の中が乾くよう風を回してください。10℃を切ると胞子葉が黒く傷みます。