Cultivar · 品種
Platycerium veitchii 'Auburn River'
オーバーンリバー
- 学名
- Platycerium veitchii 'Auburn River'
- 中国語
- 澳銀
- 日本語
- オーバーンリバー
- English
- Auburn River
オーバーンリバーは誰かが選抜した品種ではなく、オーストラリア・クイーンズランドのオーバーンリバー周辺に自生するベイチーの地域型です。銀白と高く尖った冠が魅力ですが、冠が立つかどうかは環境次第で、強い光、涼しさ、昼夜の温度差が要ります。
育て方の要点
この名前が指すもの
オーバーンリバー(台湾では「澳銀」「奧銀」)はベイチーの地域型で、オーストラリア・クイーンズランドのオーバーンリバー国立公園周辺に自生する個体群の商品名です。玉女やジェニーのように誰かが選び出した個体とは違い、選抜者はおらず、背景にあるのは産地です。
それでも流通名であって登録品種ではありません。クイーンズランドの標本館にオーバーンリバーの名で登録された証拠標本は見つからず、ネット上の「DNA 解析で個体群の違いが確認された」という話も出典を確認できなかったので書きません。
魅力は銀白と尖った冠
胞子葉は細く直立し、厚い銀白の星状毛に覆われます。成株になると貯水葉の先が高く尖った冠となって立ち上がり、愛好家は「冠が立つ」と言います。この冠こそが一番求められる点であり、いちばん育てにくい点でもあります。
冠が立つかは環境で決まる
台湾の愛好家には覚えやすい言い方があります。バラがよく育つ場所なら、オーバーンリバーも冠を立てる。 台湾のバラ産地は多くが山間部で、日照が強く、気温は低めで、昼夜の差がはっきりしています。原産地の条件とよく重なるのです。分けると四つです。
- 長く続く涼しさと温度差:一日だけ涼しいのではなく、ある期間ずっと。台湾の平地では秋冬にしか得られないため、秋が冠を立てる時期とされます。
- 十分な光:光を好む種で、足りないと葉は立たず冠も伸びません。ただし台湾の夏の正午の直射はある程度遮ります。
- 水を控える:乾燥に強く、水はけと通気のよい付け方を好みます。水苔はゆるく、板は薄めに、浸水は深すぎず長すぎず。
- 生育期は肥料を切らさない。夜間に照明で日長を延ばして冠を促す栽培者もいます。
逆に、高温多湿で光も足りない環境だけだと、低く丸い「丸顔」になりやすい。育て方の失敗というより、条件がそろっていないのです。冠の目立つ個体ほど環境にうるさく、変えるときは少しずつ、元気な株を一気に弱らせないように。
レモイネイとの違い
どちらもベイチーの下にありながら方向は逆です。レモイネイは緑が強く分岐が多く銀毛は薄め、オーバーンリバーは銀白と冠こそが身上です。銀白ならオーバーンリバー、分岐の面白さならレモイネイ。
購入前に聞く三つのこと
- 親株の写真はどんな環境で撮ったか。山間部や冷房環境で育った高い冠は、平地のベランダでは再現されないことがあります。
- 増やし方。子株は同一個体、胞子培養株は形質が分離します。
- 名前は株に付いてきたか。地域型の名前は、普通のベイチーにいちばん付けられやすいのです。
よくある質問
オーバーンリバーと普通のベイチーは何が違いますか?
オーストラリアのオーバーンリバー周辺に自生するベイチーの地域型で、別に選抜された品種ではないため、生物学的にはベイチーです。流通上の違いは表現で、銀白が厚く、成株は高く尖った冠を出しやすいこと。独立した個体群だとする証拠標本や遺伝研究は見つからなかったので、購入時は実際に見える成株の姿で判断してください。
うちのオーバーンリバーは冠が立たず丸い形です。なぜですか?
たいていは株ではなく環境の問題です。冠を立てるには長く続く涼しさと昼夜の温度差、十分な光が要り、高温多湿で光も足りない台湾の平地では低く丸い「丸顔」になりがちです。秋冬に温度差が出てくれば多くは改善します。光を十分に、水は控えめに、生育期は肥料を切らさず、数回分の新葉を待ってください。
台湾の平地でオーバーンリバーは育てられますか?
枯らさずに育てるのは問題ありません。ベイチーは属のなかで最も日差しと乾燥に強く、平地の明るいベランダが向いています。難しいのは高い冠で、涼しさと温度差が必要なため、平地では秋冬にしか条件がそろいません。冠を求めるなら、一年のうち丸く育つ時期があることを受け入れることになります。
同じ原種の他の品種
同じ原種から選抜された名前。よく並べて比較されます。