公開
ビカクシダ初心者の最初の一株はどれを選ぶか:値段ではなく環境で品種を決める
どんな環境でも育てやすいビカクシダは存在しません。まず三つ、ベランダや窓辺の光があるか、夏に風が動くか、毎日見られるかを確認します。光と風のあるベランダならビフルカツム・ヒリー・ベイチー、室内の窓辺とサーキュレーターならコロナリウム・ウィリンキー、コレクションを目指すなら原種のウィリンキーを先に。リドレイ、マダガスカリエンセ、アンディナム、クアドリディコトマムが練習に向かない理由と、最初の一株をスポア株・子株・板付け株のどれにするかも整理します。

結論から:品種より先に、環境を見ます
初心者の方が最初に尋ねるのは「どの品種が一番育てやすいか」です。しかし、どんな環境でも育てやすい品種は存在しません。同じビフルカツムでも、風の抜けるベランダではほとんど手がかからず、閉め切った冷房の部屋では蒸れて傷むことがあります。順序を逆にしてください。まずご自宅に何があるかを見て、その条件をちょうど必要としている品種を選びます。
自分に問う三つのこと
一、ベランダや窓辺の光はありますか。 光はビカクシダにとって第一の資源です。朝の直射と午後の散光が入るベランダは一級、明るい窓が一枚あれば二級。蛍光灯だけの部屋なら、育成ライトを用意するまで購入は待ったほうが安全です。
二、夏に風は動きますか。 ビカクシダが苦手なのは暑さではなく、動かない湿った空気です。ベランダに自然の風がある、室内でサーキュレーターを回せる、どちらかであれば合格です。
三、毎日見てあげられますか。 一週間放っておける品種もあれば、一度乾いただけで縮む品種もあります。ここを正直に答えることが、品種選びより大切です。
ベランダに光と風がある:ビフルカツム、ヒリー、ベイチー
三種ともオーストラリア原産で、原生地は昼夜の温度差が大きく、雨の後はすぐ乾きます。光にも乾燥にも、ある程度の寒さにも強い理由です。
ビフルカツムは属の中で最も寛容な原種です。子株をよく出し、多くの資料で 5℃以上なら安全とされています。一株を群生に育て上げることは、希少種を迎える前の最良の練習になります。
ヒリーはビフルカツムに近く、葉色が濃くコンパクトなので、狭いベランダに向きます。注意点は二つ多く、夏に高温と乾燥を重ねないこと、冬に低温と過湿を重ねないこと。多くの資料は 10℃を実用上の安全ラインとしています。
ベイチーは最も日光と乾燥に強い部類で、光が多いほど銀白の星状毛が厚くなります。ベランダ向きで、室内には向きません。光が足りないと緑化して垂れます。この種が失われる原因は、放置よりも世話のしすぎのほうが多いのです。
室内の窓辺とサーキュレーター:コロナリウム、ウィリンキー
コロナリウムはリドレイよりずっと寛容です。暑さに強く、直立した貯水葉が筒になって水を受け、光の要求もやや低く、子株も出します。代わりに必要なのは空間で、成株の胞子葉は 1m を超えて垂れるため、板の下を空けておきます。多くの資料は冬に 12℃を下回ったら保護するよう勧めています。
ウィリンキーは強光と短い乾燥に耐え、子株をよく出すので、家で最も明るい窓の候補です。コロナリウムより多くの光が必要で、暗いと緑化して間延びします。多くの資料では 10℃以下で成長が止まるとされています。
どちらもサーキュレーターが前提です。室内で風がなければ、どの品種も難しくなります。
最初からコレクションへ進みたい:ウィリンキー系、ただし先に原種を
ドワーフウィリンキーやムーン系などの命名品種は、ほぼすべてウィリンキーの選抜個体か子孫で、育て方は原種と同じです。コレクションを目指すなら、まず原種のウィリンキーを一株、新葉が安定して出て子株が付くまで育ててから命名品種へ進んでください。理由は実際的で、命名株の価値は親株の表現と系譜にあり、初心者期の失敗は葉にそのまま残ります。
最初の一株には向かない品種
リドレイ:乾湿をはっきりさせ、常に風があり、寒さを避ける必要があります。子株を出しません。湿度が高くて風がなければ成長点が腐り、やり直しがききません。
マダガスカリエンセ:属で最小、最難関の一つです。常に湿らせながら常に風を当てる必要があり、一度乾くと貯水葉が縮んで成長点が止まります。
アンディナム:唯一のアメリカ大陸原産種で、湿度と温度の許容幅が狭く、栽培情報も少ないのが現状です。
クアドリディコトマム:原生地に乾季があり、低温で休眠します。休眠中は水苔をわずかに湿らせるだけで、たっぷり与えてはいけません。眠っているのか枯れかけているのか、初心者には判断が難しい種です。
いずれも育てられない種ではありません。練習に使う種ではない、ということです。
スポア株、子株、板付け株のどれを選ぶか
同じ品種でも、胞子培養株(スポア株)、子株、板付け株の三つの形で流通します。最初の一株には、すでに定着した板付け株をお勧めします。根が板をつかみ、貯水葉が板を包んでいる株は、失敗の余地が最も広いからです。苗から始めたいなら、ビフルカツムやヒリーのような寛容な種を選び、リドレイの苗で水やりを覚えようとしないでください。三つの違いは子株・スポア株・TC 株の違いに、販売ページの読み方は商品説明の読み方にまとめています。
迎えてから最初の一か月
まず一〜二週間は散光の場所に置き、段階的に光を増やします。水やりはカレンダーではなく板の重さで判断してください。方法は水やりの頻度に、光の判断は光と日当たりにあります。最初の一か月の目標は成長ではなく、枯らさないことです。
苗から育て上げる
LDS は自家胞子培養から始まったナーセリーです。苗から育て上げることが、私たちがすべての株を見るときの基準です。板付け株は初めて育てる方に、スポア株は育つのを待てる方に。量産ではなく、育成。
よくある質問
ビカクシダ初心者の最初の一株は何がいいですか?
まず環境を見ます。光と風のあるベランダならビフルカツム、ヒリー、ベイチーのいずれか。三種とも乾燥に強いオーストラリア原産です。室内の明るい窓辺とサーキュレーターならコロナリウムかウィリンキー。ビフルカツムは最も寛容で、多くの資料で 5℃以上なら安全とされ、群生に育てるのが最良の練習になります。値段ではなく、ご自宅にある条件で選んでください。
ベランダがなく室内の窓辺しかなくても、ビカクシダは育てられますか?
育てられますが条件が二つあります。窓が本当に明るいこと、そしてサーキュレーターを回すことです。コロナリウムは光の要求がやや低く貯水葉が水を受けるので室内では安全な入口ですが、成株の胞子葉は 1m を超えて垂れるため空間が必要です。ウィリンキーは家で最も明るい窓に置かないと緑化して間延びします。蛍光灯だけの部屋なら、先に育成ライトを用意してください。
リドレイが初心者に向かないのはなぜですか?
リドレイは乾湿をはっきりさせ、常に風を当て、寒さを避ける必要があり、子株を出しません。湿度が高くて風がなければ成長点が数日で腐り、やり直しがききません。育てられない種ではなく、すべての判断を最初から正しく行う必要がある種です。ビフルカツムやコロナリウムで水やりと風の扱いを身につけてから迎えると、結果がまったく違います。
初心者はスポア株、子株、板付け株のどれを買うべきですか?
板付け株です。定着した株は根が板をつかみ貯水葉が板を包んでいるので、水やりを少し誤っても持ちこたえ、失敗の余地が最も広くなります。スポア株や外したばかりの子株は根がまだできておらず、最初の半年で水の与えすぎにより失われることが多いです。苗から育て上げたいなら、ビフルカツムやヒリーのような寛容な種を選び、リドレイの苗では始めないでください。
初心者がいきなりドワーフウィリンキーなどの命名品種を買っても大丈夫ですか?
まず原種のウィリンキーを一株育てることをお勧めします。ドワーフウィリンキーやムーン系は原種の選抜個体か子孫で、育て方は同じです。違いは、命名株の価値が親株の表現と系譜にあり、初心者期の葉焼けや水傷が葉に永久に残ることです。原種が安定して新葉と子株を出すようになってから命名品種へ進むのが、後悔の少ない順序です。
関連する品種